年末、高校1年生の娘と一緒に(と思っているのは親のほうだけ?)テレビの音楽番組を連日みています。ノリのいいガールズグループや等身大のカッコつけない歌詞をサラサラと歌う男の子バンドはなかなか区別はつかないけれど、どのアーチストも魅力的で意外なくらいにひきつけられています。
2022年の私のお気に入りは、日本レコード大賞を受賞したSEKAI NO OWARIというバンドの 「Habit」 という曲。
なでもかんでも分類したがる習性(Habit)があるという歌い出しから、その習性を捨てる度に価値が見えてくると続いて・・・
「自分で自分を分類するなよ」
「俺たちはもっと曖昧で複雑で不明瞭なナニカ」
「君に君を分類する能力なんてない」
と、軽妙な音楽にのせてサラっと鋭く心を揺さぶってきます。
キャリア・デザインや人間関係促進の領域でも自己理解、他者理解を深めることを目的に、心理学的タイプ論などに依拠して個人を分類する手法があります。MBTIやエニアグラムなどです。一つの視点として、もちろん使い方によっては有効なものですが、その「使い方」がとても難しいなあと感じていました。
自分(あるいは誰か)をあるタイプ(あるいは枠)にはめると、「〇〇タイプだから自分(あの人)はこうなんだな」と意味づけして納得、安心することを容易にしてくれます。難しいのは、そのタイプ(あるいは枠)からはみ出している自分の一部に目を向けなくなってしまうこと。SEKAI NO OWARIの「Habit」 はそのことを歌っているのだと思います。
VUCAワールドと言われるこれからの社会で豊かな人生を実現していくためには、私たち一人ひとりに試行錯誤する姿勢が求められます。そんな時に、タイプ(あるいは枠)からはみ出している自分の部分に活躍の機会を与えられる人と、その部分に気付いていない人には大きな差が生まれそうな気がします。
高校1年生の娘と一緒に(と思っているのは親のほうだけ?)SEKAI NO OWARIの「Habit」 を聴きながら、2022年の年末にそんなことに想いが巡りました。ちなみに、今年は他にも歌詞が印象に残った素敵な曲が2つ。どちらも、高校生の頃のようなちょっと熱い心は57歳にも少し残っていることを思い出させてくれました。
「残響賛歌」 Aimer
逃げ出すためにここまで来たんじゃないだろ
「Stardom」 King Gnu
あと一歩、ここからあと一歩、怖いもの知って尚、立ち向かってゆけ
2023年も楽しみです。 Yo