「隙間のあるキャリアをデザインする」 Yo

 

仕事先が学校関係なので、入学試験は年中行事になっています。ですが今年は中3の娘が高校受験のため、例年よりもいっそう自分ゴトとして特別な時期を過ごしています。こどもの進学に対する親の思いの入れ方に差はあると思いますが、私もそれなりに親として昨年の夏くらいからは娘の受験について様々な考えを巡らせてきました。

 

「えっ、中3の夏くらいからですか?のんびりしていますねぇ」とあきれられてしまいそうな気もしますが(笑)。

 

考えを巡らす時の起点は、私の場合は自分の体験でした。キャリア支援に携わる時に気をつけなければいけないことのひとつに「自分の経験則による価値観の押し付け」があります。これは、私がワースト3だと思っているキャリア支援のNG行為のひとつです。ちなみに他の2つは「話しを聴かずに自分が話したいことをしゃべる」「知らないのに知ってるふりをする」です。どれも最悪だけれど、油断すると容易く絡めとられてしまう欲求なので用心用心。

 

話しを元に戻しましょう。

 

私の受験体験ですが、郷里の仙台で市立中から県立高への受験に失敗。滑り止めで受けた私立高へ不本意ながら通うことになりました。合格が微妙というラインで志望校を最終決定する時に、私は上位で頑張れるようランクを下げて受験したいという希望でした。けれど、詳細は省きますが最終的には親の思いに抗しきれずに(最後は学校の先生にも薦められて)不合格のリスク覚悟で受験し、結果は前述のとおりです。。。この後の高校生活でも、「そうなるかぁ」という展開があるのですが、それはまた別に機会に。

自分自身のこうした体験を起点にして、娘の受験に対する親としてのスタンスを「本人の思い(本心)を尊重して優先する」と家族会議で確認。そのうえで、家内と私がひとりの大人として進路選択に際して大切にして欲しいことを伝えました。その頃の娘はといえば、親に似たのでしょう、まだまだのんびりしていて「野球部が強くていい高校ないかな?」とか言ってました(笑)。

 

 そんな娘に私が伝えたのは、「何か思いもよらないことが入り込む隙間を空けておくことを意識して、高校生活をゆるくデザインしてみるのも考え方のひとつ」ということです。もちろん、3年という短い期間には大学受験という太いコースが敷かれていて、勉強を中心にした生活を前提にしながら、夢中で部活にのめり込むというのがスタンダードなモデルではあると思います。それも、掛け替えのない高校時代の過ごし方として否定するものではありません。ただ、偏差値を上げることに追われる3年間や休みなく部活漬けになる3年間じゃない、思いもよらないことが生活に入り込む隙間(時間的な余裕や精神的な余裕)を意図した進路選択もありかなと思うのです。もっというと「思いもよらないことを呼び込むライフスタイルを今から主体的にデザインしてみたら?」ということです。そんな話しをし終えたら、娘がニヤッとして「父ちゃん、それ自分に言ってる?」って言いやがった(笑)。確かに、、、娘に教えられました。

 

試験日まであと2週間。私からの最後のアドバイスは、、、

 

「いま真剣に、最後まで力を振り絞るそのプロセスが未来の君を助けるよ」

 

Yo