「カウンセラーの仕事」

 

今回は、前回 “ブライダルの仕事 のように、「本当に素敵なお仕事です!」とか「やり甲斐を感じます!」みたいな、キラキラキラ~ な感じではないです(^^;)

そんな風に語れる仕事ではないし、そんな風に語るカウンセラーにはなりたくないと思っています。

(※理由は後述します)

 

 私は201571日、今の職場の施設オープンと共にカウンセラー・セミナー講師として勤務を開始し、

カウンセラー人生をスタートさせました。

 

就労支援施設ですので、お仕事に関する事(転職相談、応募書類の書き方・添削、面接対策、職場適応、仕事と子育ての両立、いつ頃から働き始めるか・その為にどんな準備をしたらいいか…等々)はもちろん、人間関係、メンタル、ご自身の事など幅広くお受けしています。月平均50件以上なので、相談件数は間もなく延べ4000件近くになると思います。

 

当初は、私よりご経験や能力が高い方々にキャリアコンサルティングをする事に対して「私なんかがしてしまっていいのだろうか…」と思い悩んだり、また深刻な内容や状況をお聴きして内心とても動揺してしまい、受け止めたり共有する事が怖くなることもあったりして、特に始めてから2年くらいは無我夢中で必死でした。今も “慣れた” ということは全くありません。

 

カウンセラーの仕事に対して「嘆きの壁」とか「負のエネルギーを浴び続ける仕事」とか表現されることがあることも承知しています。確かにそのような側面もあるかも知れませんが、でもそれだけでは絶対にないー。キャリアカウンセリングだからという事もあるかと思いますが、様々な方のキャリアに触れさせ頂いて私自身もいい刺激を頂く事も多いし、いい出会いも沢山あります🍀

 

私が意識をしている事の一つに、アドラー心理学でいわれる「メサイヤ・コンプレックス」というものがあります。

メサイヤ・コンプレックスとは 他者を救う事によって自らが救われようとする、自らを一種の救世主に仕立てる事によって、

自らの価値を実感しようとする といわれるものです。

結果的にお役に立てたとしたらそれはとても嬉しいけれど、「人の役に立ちたいからカウンセラーの仕事をしている」など

自らの欲求を優先させない。

相談者の方を、自らの欲求を充足させるための道具にしない。

※ 冒頭の理由はここに繋がります。

「素敵な仕事」とか「やり甲斐がある」とか、独りよがりで自己満足なカウンセラーにはなりたくないし、ならないように気を付けたいと思っています。

 

カウンセリングをしている時に常に意識をしていることは、「相手の事は決して分からない。相手の事を分かったと思ったら、終わりの始まり。分からないからこそ、真摯に聴かせて頂く。私の理解に間違いがないか、確認をさせて頂く」という事です。

 

あともう一つ。

キャリアカウンセラーとして、私自身が自分のキャリアを充実させていなかったら説得力がなくなると思っています。“仕事バリバリ” ではなくて、家族との時間を過ごすことや(子供達は二人とも大学生でそろそろ社会人になるので独立する日も遠くないこと)、私自身が好きな事をして豊かに過ごす時間を持つこと、また雇われる仕事だけではなくて、自分がやりたい仕事を自分でも創っていきたいー。

 

最後に、相談者の方から「私もこうして聴いて頂いてますけど、ずっと色々な人の話を聴き続けて清野さんはストレス溜まらないんですか?」とか、同業のカウンセラーから「そんなに件数やってて大丈夫?」と言われることがあります。

私が今までやってくることが出来て、今もこうしてやらせて頂けているのは、カウンセラーの先輩・仲間たちの助けが大きいです。私の悩みや葛藤、感情を受け止めて支えてくれる、絶対的な信頼感と安心感があります。

相談者の方に対して私もそのような存在になれるよう、これからも自分に出来る努力を続けていきたいと思います。

 

その方の成長を信じて寄り添い、応援し続けるー。

「カウンセラーになるのではなく、カウンセラーを生きる」

私が心理学を学んだ石崎一記先生のお言葉を体現していきたいと思っています。

 

(せいの みかこ)