ブライダルの仕事

今までこのブログには “ささやかな日常の出来事 をテーマに書いてきましたが、少し趣向を変えまして、何回かに分けてちょっと真面目に仕事のことを書きたいと思います。

(今までも不真面目に書いていた訳ではありませんが 笑)

 

仕事シリーズの1回目は、18年目に入ったブライダル・アテンダーの仕事について書かせて頂きます。

 

 ブライダルの仕事を始めた時の状況については、このHPメンバー紹介の個人ルームに書かせて

頂いておりますので、ここではブライダルアテンダーの仕事内容について記したいと思います。

 

まず一番お伝えしたいことから書くと、ブライダルの仕事は「幸せのお手伝いをさせて頂きながらこちらも幸せを共有させて頂ける、本当に素敵なお仕事です!」ということです。

 

この18年、本当に色々な事があって(始めた当初は娘5歳・息子3歳で二人とも幼稚園に通っている中での土日を含む変則シフトで仕事と育児の両立が凄く大変だったこと、その後に色々と学びも始めて更に大変になったこと、家族や私が体調を壊したこと、家族の反対、カウンセラーデビューしてパラレルキャリアを展開し始めてスケジュール調整やバランスを模索したこと…等々)、大袈裟ではなく何十回も「大好きな仕事だけれど、今度こそはもう本当に辞めないとダメかも知れない…」という状況になったし、失敗して反省する事もあるし、婚礼当日は一日中立ちっぱなし&動きっぱなしで体はヘトヘトになります。でも、一度も「辞めたい」と思ったことはありません。

 

ブライダルアテンダー(花嫁介添え)の仕事、就く前は「ご新婦のドレスの裾を持ったり、和装の時は白無垢や打掛を整えたりしてエスコートする人」位の認識しかありませんでしたが(^^;)

実際の職務に占めるその割合は、全体の仕事の中の20分の1くらいかな。

 

勤務のスタートは関係各所との打ち合わせから始まります。(ウェディングプランナー(1番重要な打合せです。ご新郎ご新婦のお二人とずっと打ち合わせを重ねてきたプランナーさんから、当日の進行表を元に挙式・披露宴・二次会など、お二人とプランナーさんが時間をかけて決められたスタイル、想いや拘りを引き継ぎます。)、写真室(多くの新郎新婦がスタジオ写真、チャペル写真、集合写真、お色直し後の写真と結婚式当日に34回写真スタジオでの撮影があるのですが、ホテル内に写真スタジオは一つなので、他の婚礼との時間調整が必須です)、美容室(「白無垢は何時何分までにお支度をあげて下さい」「ベールアウトは何分くらいかかりそうですか?ヘアチェンジもあるからいつもよりプラス5分で仕上げて下さい」等々)、担当キャプテン…)

 

お二人への初めてのご挨拶はお式の2時間前。「本日は誠におめでとうございます。今日一日介添えを担当させて頂きます清野と申します」から始まり、一日の流れをご説明し、結婚指輪やピロー、お手紙やお薬などの必需品などをお預かりします。「何かご不安な事などありましたら、どのようなことでもご遠慮なくお申し付けくださいね」「昨夜はお休みになれましたか?」「今日までご準備で色々と大変でいらしたと思います。進行などはお任せ頂いて、今日は楽しむ事に集中されて下さいね」等々、ご緊張を解く言葉がけや態度も大事な仕事の一つ。

 

お式の1時間前からお式までの1時間が多忙のピークです。

お支度が整ったお二人とここからはずっと付きっきりになり、ご新婦様が歩きやすいように洋装ならドレスの裾を持ちながら、更に生花でのブーケはとても重いので、ブーケもお預かりして私が持ちながらエスコートして歩くこともしばしばです。和装の場合は歩きやすいように褄を持ち上げたりからげたり、いつどこから写真を撮られても美しい姿であるように(洋装の時も同じですが)、懐剣や末広の位置や形が整っているかを常に見ています。その状態をキープしながら写真スタジオやチャペルでのスナップ写真やビデオ撮影にご案内。

 

その後は大事な親族控室での親族紹介で、ここでは司会進行をします。親族紹介でもドラマがあり、それぞれのご婚礼で、ご家族・ご親族の雰囲気や在り方といったものを感じることが多くあります。ご親族間の長年に渡るお気持ちが絡むことも。。想定外の事が起こることもありますが、そのような時に少し考えてからフォローをいれるのと、門髪入れずにフォローをいれるのとでは、門出の一日の和やかな雰囲気を保つ&時間が経ってお二人やご親族が振り返った時に、その事に対する意味づけが全く異なると思います。

以前に私も正直驚くような事が起って内心とても動揺した事がありましたが、平静を装ってなるべく穏やかに対応し進行したところ、後になってご親族様から「びっくりしたけど(想定外の出来事)、結婚式を沢山見ている式場あなたがニコニコ笑ってるから、別に大したことじゃないんだって安心したよ!」と言われたことがあります ^^

 

それが整うとリハーサル

とサラッと書きましたが、結婚式当日は本当に色々なことが起こるので、何事もなく進むことの方が少ないです(^^)

例えば、ドレス合わせをしていても、お式の準備の多忙さやダイエットを頑張られて数週間でガクッと体重が落ちて痩せられるご新婦は多くいらして、当日に衣装が合わなくなる事は結構多いし、ご移動中にご友人に会って祝福されて感極まって涙しメイク直しが必要になったり(そうすると直ぐに美容師さんに連絡)、ご親族様からのご要望を頂いたり、そういった事に一つ一つ対応しながら、時間を遅らせないように(どうしてもトラブルなどで遅れてしまうこともありますが)進めていきます。

時間通りに進めることが大きな任務なので、美容師さんには「このお支度は〇時〇分までに、あのお支度は〇時〇分までに仕上げて下さい」カメラマンさんには一日に何度も「ここでのスナップ写真は〇分でお願いします」と伝えます。

そしてリハーサルの後のお式本番、ご披露宴へと続きますが(一つ一つは書ききれないので割愛)、ずっとこのような感じで寄り添いながらアテンドしサポートするのがブライダルアテンダーのお仕事です。

 

大変なこともありますが、でもそれを大きく上回るくらいに感動したり、幸せな気持ちにもさせていただけることが多くあります(*^^*)

披露宴がお開きになって、送賓や宴後のスナップ写真撮影など全て整って、お二人をお支度部屋であるブライズルームにお送りし結びのご挨拶をさせて頂いた時に「本当に一日有難うございました。すごく心強かったです。一生忘れません」とご新婦様から涙ながらに言われて私も「末永くお幸せに」と言いながら貰涙したり、「あなたが担当で良かった」とご新郎様とご新郎様のお父様が仰って下さりそのお二人に抱きつかれたり(笑)、ハネムーン先でお土産を買って来て下さったりお礼状を頂いたり。。。 数か月前の婚礼で、送賓をしている時にご列席をされていたご新郎様のご友人が私に近づいて来られて「〇年前、清野さんに担当して頂いた〇〇です。(覚えてはいなかった(;_;))うちの妻が結婚式の時の事を振り返ると、今でも介添えさんがすごく良かったと言うんですよ。本当に何度も」と仰って下さいました。(ウルッときました)

そういった事もたくさんあって、やはり素直に嬉しいし遣り甲斐を感じます。

 

大きな変化の只中にある今、今後はどのような業種・職種においても過渡期で、無くなる仕事や新たに生まれる仕事も多々ある中では、もしかしたらブライダルアテンダーの仕事というのは無くなってしまうかも知れない。。そして私の方の事情でもいつかは辞める時がくる。。。

そうであっても、私の人生において18年間以上もこんなに素敵なお仕事をやらせて頂いて、1000件以上もの婚礼でご新郎ご新婦様・ご親族様の門出の一日に立ち会わせて頂けたことは、一生の誇りだと自信を持って言えます。ブライダルアテンダーとはそういうお仕事です。

 

p.s. あとこれは、ブライダルの仕事とは直接は関係のないことなのですが、私がよく感じる事があるのでお伝えしたいと思います。

それは、ご新婦とご新婦のお母様が並ぶ機会は度々あるのですが、やはり似ていらっしゃる事が多いのです。そこで目がいくのがご新婦のお母様の表情筋やシワです。“若いか否か”という事ではなくて、特にシワってその方が人生で一番してきた表情がシワとなって刻まれるのですよね。。

お綺麗なお母様でも眉間に深いシワが出来ていたり、久しく笑顔でいることが無かったのかなと感じるくらいに笑顔がぎこちなかったりするお母様もいらっしゃいます。

年を重ねてシワができるのは仕方のないことなので受け入れますが(笑)、幸せな笑いジワとなるような時間の重ね方をしていきたいと思います(^^)

                                                                                                                                                                          (せいの みかこ)