私の家では娘が4月から小学生となり新生活を送っています。
親として子育ての渦中にいる時は必死なので、子供の成長を冷静に捉えるのは難しいものですが、
保育園での三年間を後になって振り返ると、確かにそこには成長の軌跡が残っていました。
娘は赤ちゃんの時から慎重でマイペースな性格で運動も苦手でした。
5歳にもなると、保育園のクラスのお友達の殆どが鉄棒の前回りと逆上がりができるようになっていきます。
いまだにできない娘に対して親が様々なアプローチで一緒にやらせようとするも、
泣きながら断固拒否の状態が数ヶ月続いていました。
そんな娘が自分からチャレンジするようになったきっかけは、お友達の応援。
仲良しのお友達が、○○ちゃんもできるよ!と励ましてくれたから。
そこから毎日保育園で練習して、1ヵ月でできるようになりました。
親の手を借りずに、お友達との関わりから苦手なことにチャレンジできるようになったこと。
娘の成長を感じた瞬間です。
娘の鉄棒を応援してくれた仲良しのお友達は、おとなしくて、みんなの前で発言することが少ない子でした。
娘とそのお友達は別々の小学校に行くことになっていました。
卒園が近づいていた3月のある日。そのお友達が娘にくれたお手紙に親の私が感動してしまいました。
年長クラスの女の子はお手紙交換が大好き。娘とお友達も毎日のようにやり取りしていましたが、
普段のお手紙の内容は、「○○ちゃんだいすき。またあそぼうね。」といったお決まりの言葉。
ですが、娘が最後にお友達からもらったお手紙には
「ほんとうは○○ちゃんとずっとあそんでいたいよ。
○○ちゃんがどこにいってもわすれないよ。○○ちゃんもわすれないでね。」
会話しているところもあまり見たことがなかったほどだったので、
自分の気持ちをこんな風に言葉で表現できることに驚きました。
人との関わりの中で生まれる思いやりや励ましは、人の心を豊かに成長させてくれるのだと気付きました。
大人になると当たり前に過ぎていく日々の生活から、心の成長は感じにくいものですが、大人も子供も関係ないのかもしれません。
相手と人と心を通わせ、信頼関係を構築する。
信頼できる人からの気持ちを受けて、前向きに取り組める、苦しい時に乗り越えられる。
キャリアカウンセラーとしての私が誰かのためにできることは、もっともっとあるのではないかと感じずにはいられませんでした。
娘の経験を通して、改めて自分自身の成長についても考えるきっかけとなるエピソードでした。
(ふくしま みほ)